今日の写真クラブは、例会途中に酒蔵の撮影会を行った。
例会会場から徒歩10分ほどの所に、賀茂鶴酒造がある。
案内してくれたのは、杜氏の椋田さん。
賀茂鶴に四人いる杜氏の一人だ。
普段は外から眺めるだけの蔵の中を歩いた。
杜氏は見学者の案内に慣れているのだと思うが、説明が上手い。
語り口も柔らかく、気さくな雰囲気なので、質問もしやすい。
撮影もそこそこに、話に聞き入ってしまった。
50歳の手前ぐらいからすっかり下戸になったので、酒を飲むことはほとんどない。
だが話を聞くのは面白いし、酒蔵の中に漂う甘い香りは好きだ。
機械化が進んできたとはいえ、酒造りはその工程のほとんどが手作業。
麹を育て温度管理に心を砕く話は、聞き応えがあった。
椋田杜氏は最後に、「顔が見えるお酒造りを目指している」と言った。
「顔が見える」ことは、酒造りだけでなく、あらゆる事業で強みになる。
品質が近く慣ればなるほど、同業他社との差別化がしづらくなる。
そのとき、自社の商品を選んでもらうためには「顔」がものを言う。
彼の話にすっかり魅了された私は、もし酒を飲むことがあれば
賀茂鶴を、椋田杜氏が造った酒を飲みたいと思った。
広島のライター&カメラマン
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