最近はすっかり筆不精になってしまった。
親に宛てたはがきも5年でやめて、今は気が向いたときに書く程度。
他は時々、一筆箋にお礼をしたためるくらいだ。
今日は一ヶ月ぶりに万年筆を握った。
インキが出ないので注ぎ足したが、それでも文字がかすれる。
特に右の払いがまったく書けない。
仕方なく、顔料インキのボールペンを使った。
毎日手紙を書いているときは問題なく使えた万年筆も、
月に一回の使用では、本来の書き味を取り戻せない。
四時間後に再び万年筆で書いてみる。
さっきよりも更にインキの出が悪い。
何度か点描のようにペン先を紙に押し付けると、少しずつ色が出始めた。
試し書きをする。
ひらがな、漢字、熟語、地名、カタカナ……。
だんだんとインキが紙に乗るようになった。
ネイビーブルーの落ち着いた色合いは、読んでも書いても心地よい。
久しぶりに親にはがきを書いてみることにした。
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