今日の中国新聞の社説は、保険証のマイナンバーカード一体化に反対する論調だった。
私は「マイナカードをもっと便利にすれば普及する」でも述べた通り、一体化を進めてほしいと思っているので
新聞がどのような理由で反対しているのかを興味深く読んだ。
昨日、岸田首相がこの件で会見をしたらしい。
社説は「首相の説明を聞いても、保険証廃止の必要性を全く感じないられない」と厳しい。
首相がどんな説明をしたのか会見を見ていないので分からないが、
岸田首相の言葉はいつも他人事のような感じを受けるし、
いいとこ取りのふわふわした話が多いと思う。
それはしかたないとして
今さら紙の保険証に戻すというのも馬鹿げた話だ。
マイナンバカードの保有枚数は6月30日時点で8,815万5,973枚。
人口の70%が持っていることになる。
ここまで普及させたシステムをご破算にして、アナログ時代に戻すのか?
今あるエラーを修正して普及を進めるべきだと思う。
とはいえ意見が違うのは構わない。
ひとつ気になるのが、反対の根拠で
「マイナ保険証に他人の情報がひも付けられていたケースは7300件にも上っている」という記述。
それは事実なのだけれど
8,815万5,973枚のうちの7300件だ。
0.0082%
システム上の問題ではなく、ひも付けが担当職員の手作業による入力ミスだったと記憶している。
つまり同じように手作業で修正すれば済む話だ。
「ゼロでないから駄目」と言いたいのだろうが、手作業の入力ミスであれば驚くほど低い。
ここでは件数を挙げて批判しているが、同じ社説の後述では
「共同通信の7月の世論調査では、保険証廃止の延期、撤廃を求める声は76%にも上った」
と比率を使う。
延期と廃止の内訳が書かれていないが、内訳は
予定通り廃止すべきだ 21.7%
廃止を延期すべきだ 36.7%
廃止を撤回すべきだ 39.9%
なので、延期も含めて廃止すべきと考えているのは58.4%。
世論の7割が廃止撤回を望んでいるわけではない。
撤回を望んでいるのは4割なのだが、延期とセットにすると
7割の国民が廃止に反対しているように感じてしまう。
「数字の使い方が上手いなあ」と感心する。
真似したいとは思わないけど。