茶道の稽古中に、先生が言った。
道具という言葉は、武士の世界が発祥だと。
それを聞いて、道具とは「道」の具なのではないかと思った。
道を究めるための具。
稽古や茶席を通して自分を磨くための茶道具。
おいしく美しい料理を求める中で、心も磨いてゆくための調理道具。
働きを通じて自分の内面を成長させるための仕事道具。
行為の結果だけでなく、過程の中で人格形成をしていく「道」のための用具が「道具」だと。
そうであれば、仕事道具を大切にすることは、すなわち仕事を通じて自分を成長させることにもなる。
道具を大切にすることは、仕事を大切にすること、自分を大切にすること。
カメラやレンズは撮影機材ではなく、撮影道具。
ICレコーダーやペン、ノートは、取材道具。
パソコンは執筆道具。
機器、機材、用具、文具ではなく、道具なのだ。
「道」のために使うものなのだ。
私は
文章道、写真道、そして仕事道を追求しているのだと思う。
今日からもっと、今まで以上に、道具に敬意を払おう。