包丁を買ってみた

 

取材先のスーパーの店頭に、刃物屋さんが出店していた。

包丁や鋏、ピーラー、爪切りなど、さまざまな刃の付く物が売られている。

什器の奥にはグラインダーが置かれ、お客さんが持ち込んだ刃物を二人の職人さんが研いでいた。

年配の職人さんが師匠なのだろう。

時折若手に手本を見せたり助言をしたりしている。

持ち込まれる物は、包丁の他、植木鋏を研ぎに出す人もいた。

私は家で包丁を研いでいるが、いつも切れ味が今ひとつだ。

砥石の角度の参考にしようと、職人さんの手つきをじっと見ていた。

途中、買い物客の婦人が職人さんに声をかける。

「この間、包丁を研いでもらってからすごく良く切れて助かりました」

「お金を払って終わり」ではなく、その後の使用感をお礼と一緒に伝える。

このお客さんの言葉に、横で聞いている私もうれしくなった。

安物を買って、壊れたら使い捨てるのではなく、

良い物を手入れしながら長く使うほうがいい。

子供の頃の暮らしはそうだった。

私が使っている包丁が良い物かどうか分からないが、

売られていた包丁で使いやすそうな物があったので買ってみた。

明日から使ってみよう。

今までの包丁も、今日見た角度を真似して研いでみよう。

切れ味が戻りますように。

  

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。