音源データの文字起こしは、以前なら滅多に使わなかった。

文章が乱れるのだ。

大切なところを記述するノートテイクと違って、文字起こしは不要な(と思われる)文言も全て拾う。

ゼロから書き起こすときには入れない情報でも、テキストとして存在すると、

切り捨てるのはけっこうな労力をともなう作業だった。

読む、理解する、検討する、不要と判断する、削除するという5段階を経て切り捨てる。

大抵の場合、それが記述すべき情報よりも多い。

1時間インタビューで2000文字予定の原稿の場合、テキスト化すると全部で2万文字くらいだ。

つまり9割は捨てる。

それなら取材メモから1割を書き上げた方が早い。

しかし納品原稿が3000文字を超えてくると、取材メモだけの情報では心許ないときもある。
(4000文字までは書いたことがあるが)

これぐらいのボリュームになると、文字起こしの利点が出てくる。

メモ書きでは追いきれない情報、とくに話のディテールが浮き出てくるのだ。

全体の構成や展開はメモを中心に組み立てて、細部はテキスト起こしで補完するのが現状ベストかと思う。

ただし、文字起こしツールの正確性が低いと、その確認(聞き直し)や修正に時間を取られる。

ずっと動画編集ソフトのAdobePremierProの文字起こし機能を使ってきた。

他のアプリよりも少しだけ精度が高く感じたことと、

サブスクで月額払っているので使わないともったいないという思いもあった。

しかしここにきて、AiNoteのほうが出来がいいことを知った。

スマホで録音して同時進行で文字起こしもできる(そこまで急ぎの案件はないけれど)。

フリープランは月間600分まで使える。

ロングインタビューの仕事があれば、当面はAiNoteを使うだろう。

分岐点は2000文字あたりかなと思っている。

それ以下は取材メモから、それ以上は文字起こし。

 

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。