原爆ドーム

 

広島版の「地球の歩き方」が発刊されたということで、地元ではちょっとしたニュースになっている。

「地球の歩き方」といえば、かつては貧乏海外旅行のバイブルのような存在だった。

私も21歳の時に購入して、イベリア半島を旅したことがある。

その場所を旅した人の経験談がいくつも載っていて、大いに参考になったし

本を読んで事前にプランを立てられたので、ほぼそのプラン通りに旅をすることができた。

列車が時間通りに運行されないことも、スリや詐欺が多いことも、地球の歩き方が教えてくれた。

おかげで大きな被害に遭うことなく帰国できた。

今と違って、当時は2色刷りの紙面だったが、心のときめきはあの頃の方が大きい。

入ってくる情報量が違いすぎるので、比較するのもおかしな話だとは思う。

今日、本屋で「地球の歩き方 広島」を見た。

入り口の正面にポスターとともに陳列されていた。

せっかくなので手に取ってみた。

すごく分厚い。そして・・・

市町が発行している観光パンフレットの集合体みたいだ。

観光スポットのPRのような文章はあるけど、旅にまつわる文章が少ない。

もみじ饅頭を店ごとにカタログ的に紹介したページには失笑してしまった。

「G7ゆかりの地を巡る」とか・・・

政治イベントをコンテンツにしなければならないほどネタに困っていたのかと邪推する。

滞在プランでは、平和公園に行ったあとお好み村に行って、

また平和公園の手前にあるおりづるタワーに行くという意味のない往復。

おそらくターゲットは旅行者ではなく広島の人なのだろうけど、広島の人はこれで満足するのか?

国内の他地域の「歩き方」はもう少し読ませる文章が多かった。

なぜ広島版は広告と見分けがつかないようなものになってしまったのだろうか。

とても残念な一冊だった。

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。