2021年の出版市場規模が発表された。
紙出版の減少が小さくなったこと、電子出版が伸びたことで、市場全体は3年連続のプラス成長だった。
漫画は2017年に電子が紙を逆転したが、書籍についてはいまだに紙が大きくリードしている。
「書籍はやはり紙でないと」という読書家は多いだろう。私の周りも、紙にこだわる人はいても電子を推す人はいない。
だが私は、近いうちに書籍でも電子が逆転する日が来るのではないかと思っている。
先日から二度ほど、この雑記帳で触れた「文藝春秋digital」の記事はデジタル版だ。おそらくこれが紙媒体だったら私は読んでいない。購読契約もしなかった。
まず、記事が目に入ることがなかっただろう。
最近は、新しいメディアとの出会いの9割以上がSNS経由になっている。
書店が激減したため、日常生活で書店に立ち寄ることがなくなった。近くに大型書店はない。
本を探すという行為をしなくなった。関心のあるジャンルの棚を探して、その中で同じテーマの本を見比べて、読みやすい方、気に入った方を選ぶという買い方をしなくなった。
誰かが発信したおすすめ本(その誰かは実在する個人の場合もあれば、AIの場合もある)を選ぶか選ばないか。考えようによっては、主体性を失っているようにも受け止められるが、実は書店で本選びをするときも、書店員の仕入れ・陳列という「第三者の介在」を受けている。SNSで特定の個人がシェアするのと同じなのだ。
SNSで繋がっている何百、あるいは何千という人たちが「行きつけの書店」だと思えば、実店舗にこだわる理由はない。
話が横道にそれてしまったが、電子版記事の便利なところはスマホ一つで読めること。1台に何冊分もの情報が入ること、常時更新されていくこと、ストックしてもかさばらない、記事の保存や検索も楽。デバイスの設定を変えれば文字サイズが自由に変更できる。
長編小説を読むのは疲れるかもしれないが、5000文字〜1万文字くらいの記事であれば、電子の方が読みやすいのではないかと思う。
私は多分これから、紙でしか発行されていないもの以外は電子で読むと思う。
一度この便利さを知った人は、紙に戻れないだろう。いま紙のメディアにこだわっている人は、経験していないかデジタルメディアお嫌悪しているかだと思う。
SNSをバリバリ使っている人は、デジタル記事の方が読みやすい。
雑誌は5年以内に電子が逆転するだろう。書籍は10年くらいかかるかもしれないが、これもいずれは逆転する。
以上、私の予言でした。
新聞の話はまた後日。