この投稿は堀行丈治のnoteにも掲載しています。
「やらない善よりやる偽善」という言葉が好きで、ときどき、あるいは毎月少額で寄付をしている。
今月はSDGs未来都市・京都府亀岡市の災害派遣トイレ「みんな元気になるトイレ」を支援した。
この災害派遣トイレには、少なからぬ縁がある。
2018年に西日本豪雨災害が発生して、私が住む広島県も甚大な被害を受けた。発災後しばらくはボランティアで被災地の復旧をお手伝いし、その後は縁あって、被災地情報の発信を担当させてもらっていた。主に東広島市、三原市、呉市を取材して歩いたが、時にはスタッフがいない愛媛県にも出張した。さまざまな被災地を見て、体験を聞いた。およそ2年、災害復旧におおよその目処が立ったところでサイトは役割を終え、更新を止めた。
災害派遣トイレは、そのサイトを運営していいた「助けあいジャパン」が監修した、牽引型の移動式トイレだ。
快適に使えるトイレの有無は、被災地で一番大きな問題だと思う。私の体験でも、床上浸水した地域のボランティアに行った時、ボランティアセンターのトイレさえ使えない状況で、近くのコンビニ駐車場に設置してあった移動トイレが唯一使用可能なものだった。もちろんコンビニの店内トイレも使えない。避難所のトイレは使えたかもしれないが、使えない場合は移動式のトイレになる。果たして落ち着いて用が足せるだろうかと感じた。
被災地では、トイレを我慢しすぎて病気になる人がいる。トイレに行く回数を減らしたくて水分補給を控える人もいる。
もっと清潔で安全・快適なトイレがあれば、被災者のストレス軽減になると思った。
災害派遣トイレは、クラウドファンディングで資金調達を図るものが多い。
亀岡市は、私の日常生活の中では縁もゆかりもない地域だが、災害時には全国から被災地に向けてこのトイレが派遣される。
万一また広島が被災したときには、私たちを助けてくれる。
一事業者として、大きく儲かりはしないまでも、日本で生活できるくらいに社会から恩恵を受けているので、ときどき収入の一部を寄付に充てている。
だけど基本的に偽善なので、トイレにはしっかり「ぶるぼん企画室」の名称を入れてもらうのであった。