今日の中国新聞社説は、経産省の書店振興策について書かれていた。
「書店ゼロ」の自治体が増えているという。
本屋が店をたたむのは、儲からないからだ。
再販制度により仕入れ価格も販売価格も決められていている。
しかも仕入れの掛け率が高すぎて利益が薄いことが原因だ。
これは昭和の時代に築かれたビジネスモデルだ。
値段も仕入れも固定している代わりに、売れ残りを返品できる。
万引きによる損害や返品にかかる手間を無視すれば、リスクがない商売だ。
学校の教科書は、何もしなくても毎年売れてゆく。
人口が増えている時代はそれでよかった。
しかし、そんな時代はとっくに終わっている。
経営難の書店を救うために、行政が支援するというのも変な話だ。
一民間事業者の本屋が経営難だと助けてもらえるなんて、他の業種に対する職業差別じゃないか。
本屋が自助努力で利益を出せるよう、しくみを変えるべきだと思う。
山小屋で飲み物を買うと高い。
カレーもうどんも高い。
遠くまで運ぶのだから当然だ。
スーパーがない地域では移動スーパーが活躍している。
実家の地域を回る移動スーパーは、全商品が店頭の値段より20円高い。
場所や環境によって値段が変わるのは、経済の理屈でいえば当然だ。
本も、大都市と田舎町では値段が違ってもいい。
仕入れを買い切りにすれば、利幅を増やすことだってできる。
売れない本は値下がりするし、人気の本は値上がりするだろう。
本屋は儲けのチャンスが増えると思う。
自由競争から逃げてきた結果がいまの書店不況なら、もう商習慣を変えるしかない。
社説のまとめで、文化、教育、生涯学習など、もっともらしい理念が述べられているが
儲からなければ本屋は潰れる。
潰れる前に、もっと自由に商売させてみたい。
ついでに新聞も再販制度を廃止して、自由競争にすべきだ。
朝9時を過ぎると新聞を値引き販売する店があってもいい。