中国新聞で「パリからパリ 五輪130年の回帰」という寄稿文の3回連載が組まれている。
〈中〉の今日は「性の多様性確保が課題」という題名で、筆者は中京大の來田享子教授だ。
曰く、パリ五輪は女性との関わりが深いと。
最初のパリ五輪(第2回・1900年)では、女性が初めて参加した。
2度目(1924年)は、五輪憲章に「女性の参加」の項が初めて立てられたのだそうだ。
そして2024年、筆者曰く
時代は性自認や性的指向など性の多様性が尊重され、性の違いを染色体によって分けて男女二つのカテゴリーで人間を区別することの妥当性を問いかけるまでに変化した。
ということで
生誕時の性と性自認が違うトランスジェンダー選手や身体の性の発達が非典型的な選手を排除せず、かつ競技の公平性を保って争うには、どんな基準で人を区別すべきなのか。科学的根拠は乏しく競技団体はルール作りに苦慮している。
とのことだ。
性の多様性については、まあいいとして
「身体の性の発達が非典型的な選手」という言葉を知らなかったので、ググってみた。
性分化疾患(DSD)…「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」を指す医学用語(Wikipedia)
「非典型的」ではなく「非定型的」が正式か?
「インターセックス」という呼称もあるようだ。いずれも目にしたことも耳にしたこともない。
こちらに参考になる記事があるのだが、説明を読んでも理解しづらいので、示されている具体例を紹介する。
ターナー症候群(性染色体が「X」のみ)
女性の疾患、卵巣機能不全による二次性徴・月経異常など。不妊となる場合が多い疾患
クラインフェルター症候群(性染色体が「XXY」)
男性の疾患。思春期が来るのが遅れる。精巣委縮・無精子症などの性腺機能不全、また女性化乳房
アンドロゲン不応症(AIS)
染色体はXY(男性型)で精巣もあるが性器やからだの外見が女性型に発達
染色体がXX型の女性の場合は、特に症状がないため疾患として発見されないことがほとんど
副腎皮質過形成
月経不順や精子減少、外性器の形がいわゆる「男性・女性」とされるかたちとは異なる(女子の外陰部に男性化が起こるなど)という状態
極めて稀なケースというわけではなく、例えばターナー症候群は女性の2500人に1人、クラインフェルター症候群は男性の1000人に1人が発症すると言われている。
このDSDは性自認や性的指向とはまったく関係のない身体的状態を指すので、同列に扱うのはどうかと思う。
(トランスジェンダーを擁護するために引き合いに出しているのではないかと勘繰ってしまう)
どんな基準で人を区別すべきなのか。科学的根拠は乏しく競技団体はルール作りに苦慮している。
どんな基準でって、生物学的(染色体による区別)に男性女性で分ける以外にないでしょう。
それが揺るがない科学的根拠だ。
この教授は、トランス女子が女子競技に参加して大会をぶっ壊しているニュースを知らないのか?
マスメディアはときに、こういった寄稿文やインタビューという形で
自社の主張を外部の人に言わせることがあるので要注意。
連載の〈上〉を読んでいないが、どんなことが書かれているのか気になる。
これから読んでみよう。
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