エディオン本店前

 

小説を書くときに意識しているのは「自分」を出すこと。

それは必ずしも実体験に限らない。

むしろ作品をいくつも書いていくと、実体験の残り弾は少なくなっていく。

そこで、取材して書くという手段が生まれる。

取材すれば結果として、疑似体験ができる。

だが私が思う「自分」は、実体験でも疑似体験でもなく

自分の思考、感情、コンプレックスを出すこと(隠さないこと)だと思う。

見聞きしたことをたくさん書くことも大切だけど、

筆者の内なる心情を、文章に込めることに力を注ぎたい。

「出し惜しみした作品は弱い」という。

出し惜しみとは結局、自分自身のことだと思う。

小説を書くときに心配なのは

「こんなことを書いたら、どう思われるだろうか」

「批判されないだろうか」

「私がこんな人だと思われないだろうか」

ということ。

だけど、そこで遠慮して書いても、いい作品にはならない。

読み手の共感を得るだけでなく、軽蔑や嫌悪感を覚えさせるのも

表現者として大切なことではないだろうか。

今日から新たな作品の創作が始まる。

 

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。