今日は、剣道の寒稽古を取材した。
子どもたちも指導者も、体育館の冷たい床の上で稽古をする。
今日は暖かいとはいえ、私たちはスリッパを履いていないと耐えられないくらいだ。
だが、参加者の誰ひとり、寒いだの冷たいだのとは言わない。
竹刀を構えて振って、試合をして……。
年代ごとに分かれての試合でも、剣士によって実力差がある。
ものすごく強い子を相手にするのは大変だろうに、恐怖心を乗り越えて戦う子どもたちの姿に心を打たれる。
「怖い」「勝てない」という弱気な自分に勝って、相手に立ち向かっているのだろう。
武道は相手との戦いに臨む前に、自分の恐怖に勝つことから始まる。
まず戦うべきは対戦相手ではなく、自分の心。
剣道、柔道、合気道などは、格闘技系のスポーツだが、「道」がついている。
武術を通して、心を鍛え、心を磨くことが目的なのだと思う。
勝つことは大事だが、ただ勝てばいいのではないのだろうし、
試合に負けたとしても、自分を高めることができたのなら、それは価値のあることだろう。
勝負事だから、勝ち負けはある。
どんなスポーツも、全員は勝者になれない。
一人の勝者以外は、敗者なのだ。
単なるスポーツならば負けたら終わりだろうが、「道」にはその先があるように思う。
負けを恐れるな。
自分の心にも刻んでおきたい。
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
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