ライターとして取材するとき、ほとんどの場合、取材情報はノートに筆記で押さえておく。
だがインタビューが入ると、念のために録音することが多くなった。
理由は単純で、ノートへの筆記が追いつかなかったり、ノートの文字が自分でも読めなかったりする。
筆記に専念すれば録音の必要はないかもしれないが、相手の言葉を引き出しながらの記述には限界がある。
取材内容をもれなく記録できる点では録音がベストだが、記事化するときが難しい。
ノートであれば、書かれている言葉(主にインタビューのキーワードや骨子)をベースに文章化する。
インタビューの中ですでに情報選別をしているので、書き上げた時点の文章が整っていることが多い。
推敲での直しが少ないのだ。
録音した音源をテキスト起こしすると、インタビューの9割くらいの発言を文字化する。
そこから全体を整え、取材目的に合致した部分を残し、
さらに文章として読みやすくなるように推敲していく。
インタビュー起こしは、元々の情報量が多いため、情報の選別にも推敲にも時間がかかる。
さらに、発言者の言葉に引っ張られすぎて、違う表現の方が伝わりやすくても気づかないこともある。
幸い、弊社には内部校正環境が整っているので、そういった文章には赤が入る。
「本人が言ったのだから」という事実と
「それでは読み手に伝わらない」「誤解を生む」という指摘がぶつかるが、
ほとんどの場合、校正者の指摘が正しい。
そして、ノート筆記より音源起こしの方が、校正の赤が入りやすいのも事実。
録音を何度か聞き直し、ノートに記述したものを記事化すればいいのだろうが、
それだと時間がかかりすぎる。
録音資料の記事化について、別の手法を考えたい。
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
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