ジェンダー平等について、男女の機会平等は保証されるべきだと思っている。
しかし、平等な機会を経て出された結果を否定してはいけない。
「国会議員の3割以上を女性に」という論調は機会平等ではなく“結果平等”だ。
結果平等という言葉もおかしくて、実際は性差別になる。
東工大では学生の一定数を女子にするというニュースがあった。
純粋に入試の点数で優劣をつけるのではなく、一定割合は性別が優先される。
その一定割合分は、男子の機会が奪われていることになる。
平等に見えて、とても差別的な手法だと思う。
行き過ぎたジェンダー論が目につく中、逆の印象を持ったものがある。
瀬戸内エリアを中心としたビジネスプランコンテストが行われた。
公式ホームページを見て驚いた。
審査員8人中7人が男。
審査員になるのになんらかのセレクションがあったとは思えない。
人選の初期段階で、すでに男性に偏っていたのではないだろうか。
事業者、経営者、団体の長、いろいろな立場のトップがいる。
比率でいえば男性の方が多いだろう。
しかしこれはコンテストの審査員。
ビジネスの将来性を審査するのに、エンドユーザーの半分を占める女性の視点を軽視しすぎではないか。
審査基準は
事業の社会貢献性に加え、事業モデルの新規性や革新性、市場性、発展性、拡張性、新常態(ニューノーマル)対応性、実現可能性、収益性、地域・社会への貢献度、プレゼンテーションの内容、熱意などの観点から審査します。
とある。
拡張性、新常態対応性、地域・社会への貢献度……今どきの言葉が並ぶ。
こういった内容のものであれば特に、女性の感覚が大切だと思う。
だが現実には、女性は8人中1人。
聞いたことがなかった流行語のOBN(オールドボーイズネットワーク)とは、このことかと納得した。
流行ってるじゃん!
そしてこのページにはもう一つOBNがあった。
エントリーした各チームのプランをブラッシュアップしてくれる“メンター”だ。
ここでも14人のメンターのうち12人が男……。
いいの? これ。
結局この団体は、ビジネスというものは「男が中心」と思っているのだろうか。
取り組みは面白そうだけど、なんだか残念。
しつこいようだが、私は男女の平等については、機会平等以外なくていいと思っている。
だからこそ、基準が分からない審査員やメンターの人選などは、男女同数が基本なのではないだろうか。
広島のライター&カメラマン
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