父のいない実家は静かだ。
会話ができない弟と母の二人。
私が居てもそんなに喋るわけではないが、
少しでも気休めになればと思い、昨夜帰った。
今までは離れの2階の部屋で寝ていたが、
先週から弟と同じ部屋のこたつで雑魚寝している。
今頃になって、この方が落ち着くことに気づいた。
朝食を済ませて畑に出た。
今年はギンナンだけでなく、柿もたくさん実をつけている。
手の届かない高さの枝は、高枝切りを使った。
一つの枝に実が5つも付いてた。
「こんなに実がついているのは珍しいから、写真に撮っておきなさい」と母。
自分で持ち上げて撮っていると、母が手モデルを買って出てくれた。
柿の実を持つ手は、手の皺があったほうが様になる。
いつの間にか母もおばあちゃんになっていた。
かく言う私もおっちゃんだ。
みんな少しずつ年老いてゆく。
それでいい。
広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-055