祖父が収集していた記念硬貨

 

今朝の最低気温は0度。

冬のような寒さだったが、もう雪は降らないだろう。

今日は、自分史上最も遅いタイヤ交換の日になった。

タイヤを保管してある実家に戻り、自分の車と母の車の冬用タイヤをノーマルタイヤに付け替えた。

タイヤ交換を自分でやり始めて、20年くらい経つ。

作業自体は簡単なので、1台20分くらいでできるのだが、徐々にタイヤが重く感じるようになってきた。

体力が落ちているのを実感する。

父も母も歳をとったが、私も白髪がみるみる増えてゆく。

 

タイヤ交換を終えると、母が封筒をいくつか出してきた。

買取専門業者に記念硬貨を査定してもらったところ、

「ほぼプレミアはつかないので、郵便局に一度預けて普通の紙幣や硬貨で引き出した方がいい」

とアドバイスされたという。

天皇陛下の在位記念や万博、オリンピックの記念硬貨が10種類以上あった。

全て祖父が収集していたものだ。

「あの頃は、記念硬貨は将来価値が上がると言われて、みんな郵便局に並んで買っとった」

「おじいさんはそういうのが好きだったよね」

と、昔話に花が咲いた。

祖父が亡くなってはや30年。

めったに話題にすることはなかったが、記念硬貨のお陰で祖父のことを思い出した。

厳しくされてばかりで、あまりいい思い出はないけれど。

倹約家だった祖父は、価値が上がることはあっても額面以下にならない記念硬貨に、小さな夢を見たのかもしれない。

私は未来に生きる人たちに、自分らしい何かを残せるのだろうか。

残せなくてもいいけど。

 

 

広島のライター&カメラマンぶるぼん企画室

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代表 堀行丈治
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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。