街角の往来

 

最近読んだ小説の話。

文章はよどみなく、饒舌なのですらすら読める。

読み終わって数日経つと、ほとんど内容を覚えていない。

なぜなのか。

今思い当たることが一つ。

感情がない。

もちろん、主人公を含めた登場人物の心理描写は入っているのだが、

筆者が誰にも心を寄せていないような書き方。

主人公は「私」「俺」のようないわゆる“一人称”小説なのだが

「私」がどことなく私っぽくない。

”他人事”のように思えた。

これは自分が小説を書くときにも言えるのだが

筆者の視点や心情がどこにあるのかが曖昧なままだと、思いが読み手に伝わらない。

作り物とはいえ、リアリティが薄いと印象に残らない。

そのリアリティは、情景や心理の描写のほかに、筆者の感情も含まれると思った。

これからは「自分の小説は”他人事”になっていないか」をよくよく考えて書きたい。

 

 

 

ワンストップで取材チーム(カメラマン&ライター)を手配できます

ぶるぼん企画室は広島県東広島市を拠点に活動する編集プロダクションです。

広島で取材スタッフを探すなら
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。